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Microsoft Windowsにおけるボリュームのマウントとアンマウントの方法

作成日:2012/11/14(Wed)

最終更新日:2017/10/19(Thu)

はじめに

ここでは、パソコン内蔵HDDを普段はアンマウントしておき、使用時のみマウントして使用するためのコマンドについて説明します。

Mountvolを使用したマウントおよびアンマウントの説明と、シャットダウン時に自動的にアンマウントされるようにシャットダウンスクリプトへアンマウントのコマンドを登録する方法を説明します。

動作例は全てMicrosoft Windows Server 2003 R2 Enterprise x64 Editionのものです。

1. Mountvolコマンドの使用方法

Mountvolコマンドは、ボリュームマウントポイントの作成、削除、または一覧表示を行うコマンドです。 通常、ボリュームのマウントポイントはドライブのルートディレクトリになりますが、Mountvolコマンドを使うことで任意のドライブの任意のディレクトリへボリュームをマウントすることが出来ます。 また、OSがボリュームへアクセスできないように、完全にボリュームをアンマウントすることができます。

1-1. ボリュームのマウント方法

ボリュームをマウントするには、Mountvolコマンドへマウントポイントとボリューム名を引数として渡します。ボリューム名は「\\?\Volume{GUID}\」の形式で表されます。 {GUID}はグローバル一意識別子(Globally Unique Identifier)で、世界で一意であることを意図された値です(GUID - WikiPedia)。 具体的なボリューム名は次のようになります。

\\?\Volume{7ad0a965-11b7-11e2-afbc-000fea81d46c}\

ボリューム名は、Mountvolコマンドを引数無しで実行することで表示することが出来ます。 実行結果は次のようになります。

C:\Documents and Settings\Administrator>mountvol
ボリューム マウント ポイントを作成、削除、一覧を表示します。

MOUNTVOL [drive:]path ボリューム名
MOUNTVOL [drive:]path /D
MOUNTVOL [drive:]path /L
MOUNTVOL [ドライブ:]パス /P
MOUNTVOL /R
MOUNTVOL /N
MOUNTVOL /E

    パス        マウント ポイントを常駐させる既存の NTFS ディレクトリ
                を指定します
    ボリューム名
                マウント ポイントのターゲットとなるボリューム名を指定しま
                す。
    /D          指定されたディレクトリからボリューム マウント ポイント
                を削除します。
    /L          指定されたディレクトリのマウントされているボリューム
                の一覧を表示します。
    /P          指定されたディレクトリからボリューム マウント ポイントを削除
                してボリュームをマウント解除し、ボリュームをマウントできな
                くします。
                ボリューム マウント ポイントを作成して、もう一度ボリュームを
                マウントできるようにします。
    /R          システムに存在しないマウント ポイント ディレクトリとレジストリ
                設定を削除します。
    /N          新しいボリュームの自動マウントを無効にします。
    /E          新しいボリュームの自動マウントを再び有効にします。

現在のマウント ポイントとボリューム名の考えられる値:

    \\?\Volume{7ad0a965-11b7-11e2-afbc-000fea81d46c}\
        G:\

    \\?\Volume{dad83971-a1b7-11ec-8fbc-000fea81d46c}\
        C:\

新しいボリュームは、システムに追加されたとき自動的にマウントされていません。
ボリュームをマウントするには、ボリューム マウント ポイントを作成しなければ
なりません。


C:\Documents and Settings\Administrator>
              
実行結果の「現在のマウント ポイントとボリューム名の考えられる値:」以下の部分がボリューム名とマウントポイントになります。

ボリュームをマウントする場合の構文は次の通りです。

mountvol [ドライブ名:]ディレクトリパス ボリューム名

上記の「G:\」ドライブのボリュームをマウントする場合は次のように記述します。

mountvol G:\ \\?\Volume{7ad0a965-11b7-11e2-afbc-000fea81d46c}\

1-2. ボリュームのアンマウント方法

ボリュームをアンマウントするには、Mountvolコマンドへマウントポイントのドライブ名およびディレクトリパスと「/P」オプションを渡します。

ボリュームをアンマウントする場合の構文は次の通りです。

mountvol [ドライブ名:]ディレクトリパス /P

「G:\」マウントポイントへマウントされているボリュームをアンマウントする場合は次のように記述します。

mountvol G:\ /P

1-3. マウントおよびアンマウントバッチファイルの作成

マウントおよびアンマウントを毎回コマンドラインで入力するのは面倒なので、対象ボリュームが決まっている場合はマウントおよびアンマウントの処理をバッチファイルとして記述しておくと便利です。 特に他の処理をしないのであれば、バッチファイルの内容は実行するコマンドを並べたもので十分です。 テキストエディタなどで「mount.bat」等の名前でファイルを作成してください。 ファイル名の制限は特にありませんが、拡張子は必ず「.bat」にする必要があります。 ここでは「copy」コマンドを使用してバッチファイルを作成する方法を紹介します。

  1. コマンドライン上で「copy con ファイル名」と入力してEnterキーを押すと入力待ち状態になります。
  2. ファイルの内容を入力します。
  3. 入力が終わったら、最後に「Control-Z(コントロールキーを押しながらZキーを押す)」を入力するとファイルを作成します。
実行例を以下に示します。
C:\Documents and Settings\Administrator>copy con mount.bat
mountvol G:\ \\?\Volume{7ad0a965-11b7-11e2-afbc-000fea81d46c}\
^Z
        1 個のファイルをコピーしました。
              
内容の確認は、「type」コマンドを使用して「type ファイル名」を実行することで行えます。 実行例を以下に示します。
C:\Documents and Settings\Administrator>type mount.bat
mountvol G:\ \\?\Volume{7ad0a965-11b7-11e2-afbc-000fea81d46c}\
              
同様に、アンマウントのバッチファイルを作成するには次のようにします。
C:\Documents and Settings\Administrator>copy con unmount.bat
mountvol G:\ /P
^Z
        1 個のファイルをコピーしました。
              

バッチファイルの実行は、コマンドラインでバッチファイルのファイル名を入力してEnterキーを入力したり、エクスプローラでファイルをダブルクリックすることで行えます。

2. シャットダウンスクリプトの登録方法

シャットダウンスクリプトの登録は「グループ ポリシー オブジェクト エディタ」で行います。 シャットダウンスクリプトとしてアンマウントのバッチファイルを登録しておくと、シャットダウン時に自動的にボリュームをアンマウントすることができます。

以下の手順で、シャットダウンスクリプトとしてアンマウントのバッチファイルが登録できます。

  1. [スタート]メニュー→[ファイル名を指定して実行]メニューを選択して、「ファイル名を指定して実行」ウインドウを表示します
  2. 「名前」欄に「gpedit.msc」と入力して「OK」ボタンを押します
  3. 「グループ ポリシー オブジェクト エディタ」ウインドウが表示されます
  4. [コンピュータの構成]-[Windows の設定]ツリーを展開し、「スクリプト (スタートアップ/シャットダウン)」を選択します
  5. 右側の領域に「スタートアップ」と「シャットダウン」の項目が表示されるので、「シャットダウン」をダブルクリックします
  6. 「シャットダウンのプロパティ」ウインドウが表示されるので、「追加」ボタンを押します
  7. 「スクリプトの追加」ウインドウが表示されるので、「参照」ボタンを押します
  8. ファイル選択ダイアログウインドウが表示されるので、先ほど作成したアンマウント用バッチファイルを選択して、「開く」ボタンを押します
  9. 「スクリプトの追加」ウインドウへ戻ってくるので、「OK」ボタンを押します
  10. 「シャットダウンのプロパティ」ウインドウへ戻ってくるので、リストへバッチファイルが追加されているのを確認して「OK」ボタンを押します
以上でシャットダウン時にアンマウントのバッチファイルが実行されるようになります。

コマンドの詳細などについては参考文献のリンク先に詳しく載っていますので、そちらをご覧ください。

■ 参考文献

※ Windows,Windows Server 2003 R2,Windows Vistaは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。